第514回例会 : 設計技術<工場見学>

設計技術

日時:2024年4月5日(金)13:00~17:00
申し込み/状況 参加人数: 51人

■ 開催日時: 2024年4月5日(金)13:25~17:00 ※受付開始13:00~

■ 開催場所: 新明和工業株式会社 航空機事業部 甲南工場

■ 担当幹事 :   株式会社LIXIL 垂水氏 / MAKERS BRAIN有限責任事業組合 河添 氏

場所

新明和工業株式会社 航空機事業部 甲南工場
〒658-0027  神戸市東灘区青木1-1-1

■ 会場参加:定員30名 ※会場は定員に達したため締切りました

■ オンライン参加:定員70名 ※締切りました
Zoomのインビテーションはログイン後に出欠入力すると、最下部の「イベント回答者用情報エリア」に表示されます。

交通手段

阪神青木駅より徒歩約10分
地図はこちらから

 

備考

■ お問い合わせは 関西設計管理研究会 事務局長  河添 俊幸 宛 コンタクトフォームから問い合わせください。

スケジュール

13:25~13:40

【事務局案内】 事務局長 河添 俊幸氏
【会長挨拶】 株式会社LIXIL 垂水 伸輔 氏

13:40~14:30

【研究発表】(Zoom配信あります)

『ちょうどいいシステムズエンジニアリングを活用するには』
   大阪公立大学 工学研究科 航空宇宙工学分野 教授 小木曽 望 氏

システムズエンジニアリング(SE),モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)が着目されている一方で,「とっつきにくい」,「難しい」という言葉もよく聞かれる.そこで,私が顧問を務めている株式会社レヴィが提唱する「ちょうどいいSE」を紹介する.これは,メンバーが建設的な議論を通して合意形成をする過程でのコラボレーションを促進することで,「とっつきにくさ」を避ける考え方である.また,そのような設計過程を実現するために,本質を見抜くためのBack of the envelope(封筒裏の計算)の重要性を紹介する.

14:30~14:45

質疑応答

14:45~15:00

次回例会案内・休憩

15:00~15:30

第1部:会社概要説明(30分)(Zoom配信あります)
▷弊社の歴史や事業内容等をご説明致します。

【新明和工業株式会社のご紹介】

弊社は創業者 川西 清兵衛が1920年に創設した「川西機械製作所」をスタートとし、同年より航空機を製造してきた歴史をもっております。1928年に一部署であった飛行機部が「川西航空機株式会社」として独立し、1945年の終戦まで「二式大型飛行艇」や局地戦闘機「紫電改」等多数の航空機を生み出しました。

戦後、GHQによる航空機製造の禁止や財閥解体により事業継続が難しい状況にありましたが、航空機製造で培った技術と技能を活かし、生活用品などの製造を開始し、会社を存続させました。以降、戦後復興や高度経済成長と時代を経るにつれて、その時々で必要とされる製品の開発や事業の拡大を通し、現在は「産業機械」「流体機器」「機械式立体駐車場」「特装車」「航空機」といった5つの事業を軸にモノづくりを通して、社会と人々の生活を支えています。

参考URL: #甲南工場 連載 US-2ができるまで

15:30~16:30

第2部:工場見学(60分)   (ここよりZoom配信はありません)

▷防衛省向け航空機(US-2型救難飛行艇)の製造・整備エリアやその他自衛隊機のコンポーネント製造エリアのご見学及び民間旅客機コンポーネントの製造エリアのご見学を頂きます。また、航空機部品の板金加工エリアや飛行艇を海に下ろす為のエリア等のご見学も頂く予定です。

16:30~16:45

質疑応答

16:45~17:00

集合写真・片付け

17:30~19:30

【懇親会】 (送迎バスで移動)

神戸酒心館さかばやし
〒658-0044 神戸市東灘区御影塚町1-8-17

イベント・レポート記事

『新明和工業様 工場見学』

・US2の生産台数も少ない中で技術を維持して行く大変さ
・職人技の域ではあるものの、ノウハウの詰まった水柱を使った超音波検査の自動化や
ロボットアームを使った研磨の自動化などによる効率化
・民生品での軽量化の為に複合材を使用し、劣化防止の為の建屋をUS2とは違い太陽光がはいらないようにする工夫
・複合材料の曲げの為にゆっくりと慣らしながら曲げて行く難しさ
・US2の滑走距離が短く出来る理由(揚力発生の為に翼が厚くし、プロペラの形状も特殊である)
・US2は海水に触れるので錆びる事前提で作られ、検査整備に全部ばらして組み立て直すのに4~6ヵ月もかけて仕上げる
・防衛省に最高と言わしめるUS2を長年の技術力で目的に合わせて190億円/台で作り上げる凄さ
・新しい分野へのコア技術の転用による小型な水上ドローンなどの研究や、大型受注だけに頼らないイノベーション魂

等、使命と情熱も持って取り組んでいることが良くわかりました。
今回は見る事が出来ませんでしたが、タイミングが合えばUS2の飛び立つ姿を見てみたいと思いました。

 

『ちょうどいいシステムズエンジニアリングを活用するには』AIによる要約
会議では、設計フェーズを開始する前に、ステークホルダーの期待、プロセスを定義し、さまざまな要因を考慮することの重要性が議論されました。また、リスク管理、意思決定の複雑さ、および設計中の全体的なビューの必要性についてもカバーした。また、数値計算や迅速な見積もりの重要性、アジャイル開発や新しいソフトウェアへの対応の課題も浮き彫りにした。

要点_議事メモ
・開発を行って行くときのポイントは、運用、機能、要求の3つの視点が重要で、あるべき姿とは?ガントチャートではなく課題管理が重要なのかと感じました。
・モノづくりの基本中の基本は、指標と評価基準を明確化して、要求品質をしっかりと代用特性まで落として行く事が出来ないといけない状態であると感じました。
・何をどういう順番でどのような視点で考えるのかが重要
・モノづくりをして行く上では、こうなったらこうするという先取りをして考えて行く
・関係者間での良い合意(コンセンサス)をとって行く事が重要なのだが、理想と現実は乖離しているところはある。
・「わからない」は「分けて考え(整理)」「整合性を保つ(調整)」「完璧は求めない(妥協点)」の流れで考えて行く必要があることもわかりました。しかしながら、分けて行くとトレードオフが発生する。これをどのように調整し妥協して行くのかが重要でそれを判断するのは誰なのか?それは、専門家であって管理者ではない。専門家をコーディネーターに育てていく必要がある。技術面からだけではなく、全体的な妥当性を見極めることを出来る人材を育てる
・これを実現して行くには、プロがプロ意識をもった仕事が出来ることが根底にあり、目的と手段を整理して考えられることが重要である。フェルミ推定の技術版的なことが出来るようにして行く必要がある。
・経験則が最終的な結果とも合致することが多いが、仮説とその証明を行うのが良いということである
・改善活動もそうだが、大きなお題がはっきりしていないとうまくいかない
・総論賛成、各論反対の話で、抽象的にするとなかなかうまくいかない。従い、置き石のように誘導して行く必要がある

【小木曽先生コメント】
3次元CADの経験からみて,MBSE(Model-Based Systems Engineering)推進が本格化するときに推進役が困ってしまうということがありそうに思います.良い商品を効率よく開発していくことが目的であって,SE推進が目的ではないはずです.
その際に,「ちょうどいいSE」を通して,技術者がSEのエッセンスを理解すれば,有効に働くと思います.